目次

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平山洋介『東京の果て』

  • 社会の「流れ」(その編成)、方向感覚
  • 戦後の日本において、住宅を持つこと・持家所得の話/都市の開発
  • 持家所得に向かっていた人々、そこから社会のある「流れ」が生まれていた(「住宅システムは社会統合のための触媒として機能する」)
    • 「人びとにとって住宅に関わる経験は過去・現在・未来という時間軸の「過程」のなかに位置した。持家所得を促すシステムが成立したのは、「可能性」に希望を託し、住宅所得に向かう「過程」を生きたマジョリティによる支持が存在したからである。」
  • 国家が住宅開発・住宅システムにどう関わっていたか、それはどのような位置づけだったか
  • その規範は?
  • 日本の住宅政策(「戦後日本の住宅システムの編成において政府が果たした役割は大きい」のだが・・・)、その「流れ」によってゆがめられた部分、生み出された状況/マジョリティはその「流れ」に乗っていったのだが・・・
  • 社会像、標準的なもの
  • 現代の社会の中における、住宅(条件)の差異をどう考えるか。平等・不平等、政治化・社会問題化、などにかかわるはなし。住宅システムの市場化のはなし
  • フロンティア
  • 人間のあり方の編成
  • 平山洋介『不完全都市―神戸・ニューヨーク・ベルリン?

越澤明「都市計画の誕生と都市計画思想の展開」

加茂利男『世界都市―「都市再生」の時代の中で』

  • [有斐閣. 2005]
  • 下の方でもいくつか挙げている加茂さんの「世界都市」論、こちらで出ているのを知った。結構コンパクトな本なんだよな。都市論系の本は、本屋でちゃんとコーナーがない場合が多いので、一般人には新刊に気が付かなかったりする(だから、先のサイトのような紹介は有り難い)。
  • 序章:歴史の分水脈と「世界都市」||| 転換期だよ,社会システムにおける政府や国家の役割が変化していっている,「「世界都市」は,いうまでもなくグローバリゼーション(世界化)といわれる現代の社会変化の産物であり,またその縮図でもある」,ということで「世界都市」をテーマ・イシューとするこの本は,グローバリゼーション(の時代)について考える本でもあるよ,これからの社会科学が持つのはどのような世界認識/世界像? グローバリゼーションによってどのような世界秩序が生み出されてきている? 都市や地域が国家の枠内に収まりきらないものになった? 新しい社会単位の出現?(多次元的な世界へ?) その変化の顕著な現れが「世界都市」(「通常の国家を超える規模の経済力や政治的・文化的影響力をもち,国の枠に収まり切らない経済的・政治的・文化的影響力をもつ都市世界」)
  • 第1章:主題としての世界都市―研究と議論の動向|||本書で扱われるのは,今日の社会現象としての「世界都市」(序章では文明論的・世界史的な枠組みの中での「世界都市」が描かれた):「世界都市」とはどのような実体/性格をもった事象・対象なのか?/なぜ/どのようにして生成した?/今後どのような展開を見せる?|「現代の世界都市は,多国籍企業の世界的広がり,グローバル・マネーの拡大といった,いわばブレトン・ウッズ体制の崩壊と軌を一にした経済のトランスナショナリゼーション(超国境化),とくに国際法人本部複合体(グローバル経済の結節点)が形成されてくる動き,およびこの動きを推進する政策によって生み出された言葉であった.その意味で,現代の世界都市とは,政策概念と実体概念が重なりあったものであったといえる」,1970年代のニューヨークにはじまり,80年代の都市政策のキー概念となる(ロンドンや東京の都市政策へ伝播),「この動きを推進する政策」=「どの都市でも,法人本部複合体のビジネス環境を改善するため,金融の自由化,証券化の促進,都市再開発への規制緩和,衛星通信施設(テレポート)の建設,ウォーターフロントの再開発などが進められ,ヤッピー(Young Urban Professionals)といわれる為替・証券ディーラー,ブローカー,デザイナー,プランナー,コピーライター,アーティストなど,高級専門職従事者の群れが出現し,新しいライフスタイルがつくられた」 p.15|上記にあるような経済的性格からの定義,と共に政治的・社会的な性格からも定義,現代世界都市の矛盾した性格:「「世界都市」には影の世界も生まれた.地上げによるコミュニティの破壊,地価・家賃の暴騰,ホームレスの増大,外国人労働者の流入など,共通性をもった新しい社会問題も生み出されたのである」 p.15,新しい貧困問題:「福祉国家がもっていた社会的平等という理念が,現代世界都市においては成立しにくくなった」? p.21
  • 第2章:歴史の中の「世界都市」|||「世界都市」という概念の歴史,(日本でどのように受容されてきたか:80年代以降の都市政策によってクローズアップ/広がっていく),概念史的にはかなりさかのぼれる,この章では文学的・批評表現としての使用について取り上げられる,ゲーテ「イタリア紀行」普遍的なものの表現形態として肯定的にまた憧憬の対象として使用,シュペングラー『西洋の没落』では一都市が世界的な中心性を持つことに批判的な立場から使用,マンフォードの両義的な議論(世界都市は衰退に向かうのか,その集積によって生み出された性質には進歩の可能性があるか)|優れたもの・多様なものが集まってくる場所,普遍性と多様性が凝縮された場所である,反面,帝国の首都であり,他の地域や国を従属させ,富や権力,文物の集中をつくる作用がある(その多様性は,平等なものではなく,普遍性は支配性となる)
  • 第3章:現代世界都市の形成|||70~80年代の「世界都市」という概念の使用は「研究者や政策家,マスメディアによって用いられた政策概念であり,分析=説明概念でもあった」|サッセンの議論における(現代的特殊概念としての)「世界都市」では「実体的なグローバル経済が生み出した都市という性格」が強調されている,そこにおいては「これまでは理念的な意味合いで語られてきた「世界」性と,これまでは現実には存在しなかった世界的・地球的な経済や社会の結合という新しい意味合い」の区別がある(が,一般的に,今日「世界都市」という語が用いられる場合は,両者が重ね合わされた意味となる)|現代世界都市はどのように形成されたか?二〇世紀末のグローバリゼーションの流れを,「大きな趨勢や歴史・社会的な文脈」において捉える|<グローバリズムの第一局面>第二次大戦後の「軍事=政治的世界統合」「世界経済秩序と国際レジームの形成」「国際公共システム,政府間組織」の形成が,現代世界都市形成の前提・歴史的条件をつくった政治社会的要因であった.そしてそこから次の様な,より直接的に現代世界都市の形成につながる(形成の要因となる)動きがおこってくる|<グローバリズムの第二局面>「国籍企業の出現」「グローバル金融の形成」「労働力の国際移動」(以上の変化を可能にした/媒介した)「交通通信(の)革命」,以上のように様々なものが移動し交流することによって「グローバルカルチャーの形成」がおこる,これらをまとめて一言で言うと「多国籍企業とグローバル・マネーの作用によるグローバル・システムの形成を動因にした社会・政治・文化などの国際化,トランスナショナリゼーションの波」と言える|80年代から90年代にかけて,その流れはさらに高まり「「国家」と「体制」の後退」というような状況が訪れる,この<グローバリズムの第三局面>においては「一九八〇年代の経済的なグローバリゼーションが機能低下させてしまったこれまでの(国家・体制レベルの)公共システムの,超国家的規模での再構築が問題となる(地球環境問題への対処/持続可能性の確保という課題もある)

『持続可能な都市―欧米の試みから何を学ぶか』

加茂利男・世界都市    持続可能な都市

『講座社会学 4 都市』

  • [東京大学出版会, 1999]
  • 玉野和志「巨大都市化の発展類型と地域―脱地域化と再地域化のダイナミズム」
    • 「工業型の都市発展モデルにもとづいて展開してきた都市システムが、住民からの異議申し立てという都市社会運動の批判にさらされたとき、革新市長のイニシアティブのもとで政治行政システムの面から1つの革新を遂げていく。行政官僚機構が住民の直接参加を組織することで、住民要求を「先取り」するようになると、都市社会運動がかえってその存在意義を失ったり、先取りされた行政施策の枠内に住民要求が押し込められ、矮小化されていくわけである。そうすると問題は、70年代に「革新」されていった都市システムにおいて、どのような種類の住民要求が都市官僚制によって先取りされ、どのような社会層の要求は暗黙のうちに排除されていったのかということである。」(p.47)
  • 町村敬志「グローバル化と都市」
    • 「国境を越えて移動する人間・資本・情報の回路にそって無数の「ローカルな領域」が、絶えず差異性を表出するものとして創り出される。「ローカルな領域」は、一方でナショナルな経済・政治・文化の構造の中に組み込まれながら、しかし同時に、ナショナルな領域規定や構造的条件との間で衝突を繰り返す、そしてそれらを通じて、近代都市のもつ構造的制約性と変化に向けての可能性が、ともに呈示されていく。そこから浮き彫りになる新しい舞台の形を示そうとしたのが、本章の作業であった。」(p.203)
  • 平山洋介「被災都市と現代のプランニング」エネルギッシュな文章やけどなー

『大都市圏再編への構想』

  • [東京大学出版会, 2002]
  • 矢作弘「東京のリストラクチャリングと「世界都市」の夢再び」
    • この人は、日経の編集員(この論文執筆時も)だったそう。現在はこちらの教員。
  • 加茂利男「21世紀の世界都市」

東京プロジェクト―“風景”を変えた都市再生12大事業の全貌

  • [日経BP社, 2005]
  • 航空写真
  • 大型開発事業
  • 東京の大規模複合開発・12事例
    • 丸の内・大手町・有楽町/六本木ヒルズ/六本木防衛庁跡地/表参道ヒルズ/秋葉原/汐留シオサイト/晴海一丁目/品川駅東口/臨海副都心台場地区/天王洲アイル/恵比寿ガーデンプレイス/アークヒルズ(参考
  • 開発プロセス
    • もともとその土地がどのように所有され用いられていたのか?
    • 開発手法
    • 行政の関与
  • 主体、開発主体・運営主体
  • テクニカルな話、事業手法
    • 財務手法・資金調達手法

加茂利男「変貌する世界都市と都市ガバナンス―「都市再生」の時代のなかで」

越沢明復興計画 - 幕末・明治の大火から阪神・淡路大震災まで

越沢明『東京都市計画物語』

  • 初版 [1991] → ちくま学芸文庫版 [2001]
  • tokyo urban planning stories
  • この本は、一つの論文ではなくて、『東京人』や『地域開発』という二つの雑誌を中心に掲載された13の文章(数章の書き下ろしも含む)が集められたもので、それぞれの内容に重複があったりする
  • 関東大震災は1923年(大正一二年)におこった
  • それ以降、人口の郊外への移動、山手線外側の郊外住宅形成
  • ->1932年に、隣接八二町村が東京市に合併(今日の東京二三区エリア=大東京)
    • 電鉄系の宅地開発(田園調布、常磐台)
    • 先見的な大地主による区画整理(目黒区南部、世田谷区東南部)-->現在の山の手の良好住宅地に
  • 「今日の東京の都市形態に江戸の都市構造を見出したのは陣内秀信氏である。しかし、東京の市街図をみると私の目には帝都復興と戦災復興という二つの復興計画がかろうじて残した遺産、そして挫折したプランの痛々しい姿が浮かび上がってくる」(p.320)
  • 「都市計画の第一の課題は、より快適な市民生活を可能にするインフラ整備(幹線道路、公園など)である。幹線道路の整備に象徴される”権力的な”都市計画を批判し、下町のコミュニティと人間臭さ、赤提灯のある路地空間の魅力などを高く評価し、水辺の回復を主張する人が少なくない。しかし、幹線道路(表通り)と路地(裏通り)は文字通り、表裏一体の関係にあり、路地が生き生きとした魅力ある生活空間であり続けるためにこそ、幹線道路に代表されるインフラ整備が大切である。」(p.339)

エヴァン・マッケンジープライベートピア―集合住宅による私的政府の誕生'''

  • 2002.12, 原著:1994
  • 土地所有、住居所有、不動産の価値、税金、固定資産税、税の公平性、公的サービス(その内容、その資源)、コミュニティの維持=住民達による私的政府が共有部の維持管理を行う、私的統治、プライヴェティゼーション、「静かな離脱」、「このプライヴェティゼーションにより、CIDに住むことが可能な富裕層が、徐々に社会のその他の階層の人々から隔離されていくという可能性」(p.38)、都市の死?、独立排他性、同質的コミュニティ、地方政府、近隣住区、どのような社会的・政治的影響を与えるか、ハワードの田園都市、ハワードとアメリカ、コモンを有する住宅地(CID)、「3000万人以上のアメリカ人、合衆国の人口のおよそ12%もの人々が、約15万年にものぼるコモンを有する住宅地(CID)に住んでいる」、「アメリカのCIDは、田園都市に類似にしているといえるが、同時に類似していないということもできる。類似点は、大規模な住宅地のマスタープラニングという手法や、周囲の環境からの独立、および変化に対する自己防衛、住宅をコミュニティに引きつけるための、都市生活への嫌悪感の利用、法人憲章を土立に政治を経営におきかえようという意図にもとづく自治政府の発達、そして地方自治体とそての市がもつよりも大きな権力をもつ政府の創造である。/しかしながら、その相違点は非常に大きい。アメリカのCID計画者たちは、空間計画については力を入れているが、住宅地の社会および経済的な構造、ことにハワードの準社会主義的改革については、ほとんど手をつけていない。また、公共の地主からの賃借によるものではなく、私的所有による土地所有形態をとった点、あるいは完全な経済的基盤を伴ったほんものの自己充足的な住宅地をつくりだせなかった点など、アメリカのCIDは、田園都市のように、社会改革の手段たることを第一の目的とはしていないのである。しかし、アメリカのCIDは、都市という存在の根幹を切り崩す、というハワードの目的を達成していくうえでは、イギリスのニュータウンなどよりはるかに大きな可能性をもっているといえるかもしれない。」、CIDブームの初期における擁護者の主張=「地方自治体としての市の爆発的な成長と巨大化の傾向、そして住民の高い流動性とは、アメリカの都市部に住む人々の間のコミュニティの感覚を急速に破壊しつつある。これらの否定的な側面に対応し、成長によってもたらされるよりよいコミュニティを形成するための機会を十分に活用するには、建設的な力が必要なのである。コミュニティがもつ草の根の感覚をもたらす、あるいはそれを取り戻す、最良かつ実現可能な方策は、住宅所有者が、彼等にとって重要な意味をもつ近隣の施設を管理し、そのことによって近隣住区の生活に積極的に参加することである。」(p.42)、

未整理

  • 平山洋介『不完全都市―神戸・ニューヨーク・ベルリン』 [2003] メモは ー> Books/不完全都市
  • 町村敬志[たかし] 「世界都市からグローバルシティへ―「世界都市」東京の二〇年」(『国際社会 1 国際化する日本社会』 2002)
  • 町村敬志「再加熱イデオロギーとしてのグローバリゼーション―「世界都市」東京の動機づけ危機」(『現代思想』 2000年10月号 特集=グローバルシティ東京)
  • 町村敬志『「世界都市」東京の構造転換―都市リストラクチュアリングの社会学』 [1994]
    • 80年代の都市・東京について扱った本、力作! 第五章の「東京臨海部開発の政治過程」とか細かい記述・データの扱いとかすごいなーと思わされる。都市構造の空間的な再構築(リストラクチュアリング)。空間についての以下のような分節:建造環境(という資源として)・都市機能(を持つものとして)・都市的意味(を生成するものとして)。
  • http://homepage3.nifty.com/machimura/