• [2003]
  • 平山洋介・不完全都市
  • アドボカシー=「アドボカシーとは不利な立場の人びとの利益を代弁し、政府、企業、金融機関などへのプロテストと代案提示を行い、政策形成への影響力の発揮を意図した運動である。アドボカシーは戦闘的な態度を全面に押し出し、人種差別、住宅問題、再開発、失業と貧困に向かってプロテストを繰り出した。」(p.135)
  • ホームレス=「ホームレスという"カテゴリー"はけっして自明ではなく、社会的に構築された制作物である。誰が、何のために、ホームレスという「問題」をどのように定義し、そこからどのような「対策」を導き出すのか、という構築の様式が注目されてよい。」(p.126)
  • CDC(Community Development Corporation)
  • 「・・・CDCの発達は「アドボカシー」から「プロジェクト」へ、「運動」から「事業」へ、という重心の移行をともなった。」(P.141)
  • 脱政治化
  • アフォーダブル住宅
  • ホームステッダー=「ホムステディングとは、空家、空き地、捨てられた住宅・土地に入り込み、セルフ・ヘルプの労働によって住む場所を作り出す行為を示す。」
  • 「世界都市」=「「世界都市」とは自身の空間をグローバル経済に向けて差し出し、その販売を通じて成長力を装備する都市である。そこでは空間の浄化への指向が現れ、商品としての空間の純度が上昇する。」(p.133)
  • ジェントリフィケーション
  • トレンディなエリア
  • 「市政府は公園からのホームレスの"キャンプ"の撤去を求めた。ニューヨークの公園はホームレス、パンク、ゲイ・レズビアン、売春婦が任意に出入りする開かれた空間であった。公園の一部ではホームレスが仮設建築物とテントを使用して"キャンプ"を作り、集まって住む場所を整えていた。しかし、マンハッタンにジェントリフィケーションが浸透するにつれて、公園を「普通の社会」に返却する施策が始まった。・・・」

  • 「住宅・建築・都市を構想する方法が発達したのは、複数の概念が呼応して摩擦を生み出したからである。」(p.109)

神戸についての章

  • 「ルミナリエはクリスマスを最終日として消灯する。その直後の東遊園地では土地利用が劇的に変化し、野宿者の越年を援助するための拠点が出現する。炊き出し・医療相談・生活相談・散髪・入居・夜警を行うボランティア・グループの拠点である。このグループはルミナリエと同様に、震災を契機として生まれ、年末ごとに姿を現した。」(p.103)
  • 「ルミナリエは都心の時間・空間を編集し、"ファンタジー・プレイス"を消費者に差し出した。・・・/しかし、被災都市を再生に導くうえでは"ファンタジー・プレイス"の経済開発には限界がある。ルミナリエは特定の時間・空間を囲い込むところに技術としての独自性を備え、そのこと事態が限界を生み出すからである。」(p.102)
    • この「技術」という用語の使い方/「都市計画の技術は中性を装い、政治力学の働く場面を縮減した。」(p.110)



ベルリンについての章

  • 統一ベルリン、90年代初頭からの「メガ・プロジェクト」/ダイムラー・ベンツとソニー・センターの建造を中心としたポツダム広場の再開発。「設計競技のプロセスが暗示したのは、都市空間の建造に関わる実質権限の所在の問題であった。ベルリン政府は建築許可の権限を持ち、全体計画の競技を主導し、「批判的再建」の方針を採った。しかし、グローバル企業は「カウンター・プラン」を携えて競技の結果に介入し、メディアの注目を劇的な計画提案に引き寄せ、政府の権威を揺るがした。分割都市の西ベルリンでは都市開発は穏健に進んだ。しかし、統一ベルリンでは誰がどのように開発事業を進めるのか、という政治力学が生まれる。」
    • 「・・・ソニーは公式・非公式を問わずにベルリンに対する明示的な批判を繰り出した。ソニーの幹部はローカルな建築・都市計画家は「グローバルな建築とグローバルな情報・メディア経済に関する知識が不足している」と述べ、「かごに入れられ、閉ざされ、補助を受けてきたベルリンでは、政府のエリートは国際競争にさらされるのが快くないのであろう」とコメントした・・・」
  • 「ビッグ・ネーム」/スター建築家たち
    • 「ビッグ・ネーム」の「署名」による付加価値
  • 再開発後のベルリンを特集したものないかなと思い、まあそういうのだったら『SD』だろと思って見てみた、あった。『SD』99年9月号 特集=ベルリン・トポグラフィー
  • あと、321氏が教えてくれた、『A+U』02年8月号 特集=ビルディング・ベルリン 2002

  • この人は、各都市一つずつ現代アートに触れることにしているんだろうか? ニューヨークでは、ウディチコの作品が、ベルリンではクリストのプロジェクトが取り上げられている。
  • あと、サブ・カルチャーについても触れる部分がある

  • ↑BkUe(都市関連の文献メモ)