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[読書メモ/記録 2007年4月分]

目次

真っ当な感じがしたもの

■米谷匡史『アジア/日本』

  • →amazon
  • この本を読んではじめて、「帝国」ってことを、あーこういう感じなのかと意識させられた。
  • 様々な連関、絡まり合う関係
    • 同床異夢、矛盾・葛藤
  • 資本主義、「社会」(社会革命)、文明・近代化にともなう暴力
  • 帝国主義への抵抗、脱植民地化・自立をめざす勢力
  • 抵抗と連帯
  • 「夢」をなげかけられたもの

アメリカ/ブラック

  • スティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー『ヤバい経済学』の中の黒人について触れたいくつかの章も参考になる

グランディン/ジョンソン『動物感覚―アニマル・マインドを読み解く』

  • →amazon 著者自身による観察によるもの、科学的な実験の紹介、様々な科学的な説明(脳・神経科学、心理学、動物行動学、進化論的な考え、等々)
  • 情動、行動、学習、動機、
  • 「ふつうの人は自分が見ると予測したものしか見ない」「ふつうの人は知覚から得た生の情報ではなく、その概要を見たり、聞いたりしている」
  • 「過剰特異性」
  • 自閉症の人の知覚は動物のものと似ているのではないか、という話/細部に対する意識/「動物と同じように世の中を体験している自閉症の人は少なくない。いや、ほとんどがそうだと私は思う。めくるめくような大量のこまかい情報だ。自閉症の人は、ほかのだれも見たり、聞いたり、感じたりできないものを、見たり、聞いたり、感じたりしているのだ。」(p.94-95)
  • 「犬にフロイトはいらない」 p.125
  • 「動物は認識の専門家だ。[…]動物はあるものについては賢く、ほかのものについては賢くない。人間は万能選手で、それはひとつの分野ですぐれている人は、ほかの分野でもすぐれていることを意味する。」
  • 「私は、長年にわたって動物を観察し、自閉症とともに生きてきて、驚異的な才能をもつ動物はサヴァン自閉症の人によく似ているという結論に達した。」
  • 人間の視点から見ると、驚異的に思える動物の能力について
  • ある動物の進化に人間が、飼い慣らしなどによって関わったという話は――たとえば、オオカミが飼い慣らされ犬へと進化していったと考えられるように――よくされる。逆にその動物たちが人間の進化に関わったという視点は? 一方的にではなく「ともに進化したの」では?/「オオカミと人間が仲間になった」時、人間はオオカミから、集団での狩りや非血縁者との友情を学んでいった、のではないかという説まで紹介されている!(p. 399)
  • 「ここまで読むとみなさんはきっと、動物がそんなに賢いのなら、どうしてだれも気がつかなかったのか不思議に思うだろう。/なにより、私たちは、たいていの動物が自然の中でしていることを知らない。」「ようするに、動物になにができて、なにができないのか、私たちにはわかっていないのだ。動物がもっているとは思いもよらないまったく新しい能力を見ると、いつもあっけにとられるが、それを自分たちがどれだけ知らないのかを示すいい教訓にしよう。」
  • 人間を動物より「賢い」と見る人間の視点(とはどのようなものか)/「私たちは、「ふつう」でない人やふつうの動物がもっている膨大な量の才能をむだにしているのではないだろうか。それは、おそらく動物になにができるかをほんとうにはわかっていないからだ。」「もっと動物にできることを考えて、できないことはあまり考えないようになればいいと思う。これは重要なことだ。私たちはペットや研究の対象だけでなく、人生の伴侶であるはずの動物から遠ざかりすぎてしまった。」
  • 動物の能力・知能について考えていると、「文化」とは? という問題も出てくる。 p.382~