Louis Kahn [ルイス・カーン]は建築家.

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目次

カーンに関するドキュメンタリー映画

  • http://www.myarchitectfilm.com/ "The story of one man's search to know the hidden heart of his father, Louis I. Kahn."
    • 追記:どうも、2006年日本でも公開されたようだ

作品の写真@web

カーンのことば

  • 現在は存在しないが、京大前田忠直研究室のサイトの中の「Kahn's World」では、建築写真からではなくて、カーンの言葉・概念が紹介・研究されており、カーンの言葉を色々と読むことができた。以下の、internet archiveでアクセスできる=Kahn's World

カーンに関する本

[Louis I. Kahn: In the Realm of Architecture
  • Phaidon から次のような本も出ている=Louis I. Kahn (リンク先に内容の説明)


  • 1.工藤国雄 私のルイス・カーン, 鹿島出版会, 1975=ほんとに素晴らしい本だ、感動的と言ってもイイ。他のモノとは毛色が違う。
  • 2.工藤国雄 ルイス・カーン論―建築の実存と方法, 彰国社, 1980=カーンによるスケッチも多く収録、また作品分析もある。
  • 3.工藤国雄 講座-ルイス・カ-ン, 明現社, 1981
  • 2,4,5をめくってみた。4が一番入りやすいだろうな。2,5はかなり「研究」入っているから。2,5でおもしろかったのが、どちらの本も、カーンの文章・言葉・表現の詩的・私的だったりアフォリズム的な表現のためか、その読解に際して、カーン自身の言葉(英語によるそれ)とその日本語訳が併置される部分が結構あったこと。英語と日本語が並ぶ紙面は独等な感じだった。

ルイス・カーン研究-ルイス・カーン研究 ルイス・カーン論 ルイス・カ-ン建築論集   ルイス・カーンとはだれか


  • Louis Kahn: Essential Texts
  • Louis I. Kahn: Conversations With Students

ルイス・カーンから

工藤国雄「私のルイス・カーン[Memories Of Louis I. Kahn]」より引用する。かっちょいい......

彼は闘い続けた。彼は吼え続けた。 「忘れることだって可能だ!」(過去の案の正当性を主張した構造エンジニアに対して) 「未来なんてどうでもよい!」(設備の将来拡張を主張した設備エンジニアに対して) 「私は議論したくない!」(どうにも勝ち目がなくなったとき) ・・・ いずこより来たりて、いずこへ往くのか? この無償の努力は、いったいだれのものか? なんのためか?

  • 「悪魔的」なんすよ

プロセスの中で。これはほとんど「小説」のようだ。引用部最後のカーンの「吼え」が泣ける。

……もはや、その後ろにどのような生活が営まれているのかは、理解できなかった。しかし、パネルで恐怖した私は、ただ必死にルイについていく以外に、関係の証はなかった。もはやエレべーションのためのエレべーションづくりの格闘でしかないようにさえ思えた。事務所は熱し切り、作業が、急速な勢いで結晶化していった。プランとセクションは、エレべーションからの絶え間ないフィードバックでごったがえし、逆にプランとセクションに現れる抵抗と矛盾は、もろにエレべーションにはね返ってきた。しかも、エレべーションは四面とも相互に連絡なく進行していく。自分でそうしておきながら、彼は、「この事務所は、皆お互いに相手のやっていることに無関心だ!」、「世界でいちばん最低の事務所だ!」と怒るのだ。

そのあと

しかし全体は、このツワリの時期を越えると、しだいにその優しい姿を現しはじめた。……彼は私に、いたわり深げに、「信じて時間をかけるんだ、クニオ[Believe and take your time, Kunio]」と言った。

「カーンは意味のない<統一>をきらい、意味のない左右対称をきらった。「右が左のマネをするのかね」」

……一応でき上がっている均衡を破ることをおそれた私が何か言うと、カーンは、「If this ugry, I will do that」と言った。この if は譲歩の if とも考えられるが、私には、仮定の if、さらに理由の意図さえ感じられる。私には、それが「醜ければこそ、あえて私はやる」と聞こえた。「醜いものを美しすることがたいせつなのだ。」とも言った。すでに美しくなってしまったものは、美しくても無意味なのだ。それが醜いならやってみるに値する。彼はいつでもそうだった。美は、均衡ではない。生成なのだ。