• 日本のポップミュージック
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AI-2004 A.I.

  • 彼女のラップは文句なしに素晴らしい、歌についてはツルッと〈いいねー〉、とは言えない、少し言葉を並べてみないと。引っかかるところがあるから、そうなのだけど、こうやって彼女について書き出したのは、もちろんその歌にグッときたことがあるから、それは確かよ。
  • US産R&Bのサウンドだけを輸入するようなことをしていないところはかなりいい。
  • 3. After The Rain:90sR&B的スロージャム。職人的な感じにサウンドが再=現されている。冒頭のバックヴォーカルonヴォイスパーカッションで(この曲の「世界」へと)グッと引き込まれるのではないか。そしてブレイクを挟んで、いきなりせつない旋律のコーラスに入る。曲は進行して、コーラス前のverse(♪隠してた感情も~ の部分) のバックヴォーカルは素晴らしいフックになっている。
  • 4. 100%:分かりやすく、かっこええ曲。Missy Elliottがやるようなサウンドに少しフリーキーな(エレクトロ)味付けをしたディスコチューン。バックヴォーカルのアレンジも変わってる。
  • 6. Breathe:甘美なストリングスのインタルードに続く、アコースティック・ギターをft.したさわやかな曲。細かく打ち込まれた跳ねビート。そのビートもそうだが全体的に抜けある(音数が少ない)トラック。
  • 7. 無限:これは注目曲。わかりやすい(難解ではない)トラックだがチャレンジングなのではないか?
  • 8. Say Yes, Say No:続けてこれも注目したい。哀愁あるギターをft. わりとラフなトラックでバランスもこれでいいのかなーとか(ギターも何種類も出てくる)と思わせられるのだけど、気になる曲。
  • 12. Watch OUT!:冒頭でも書いたように、こういうラップの曲は何のズレもなく聞けます。
  • 15. Dreaming Of You:Monica "For You I Will"タイプのバラードだが、こちらの方が血は通っているだろう。

m-flo

  • m-floの音楽・サウンドはカクカクカクカクとマッサージしてきてヤミツキにさせられもするのだけれど、ソウルがない(ソウルフルじゃない)のか。感動的な時もあるのだけど、何なんだろう。何かメチャなこと(ってエディット=切り貼りのことか)やってんなと思うときか。じゃあ、Jaxxにはソウルはあんのかと? あ、カクカクしながらその上でシンガーのいいところ、ソウルフルじゃないそれ(たとえば、キュート性?)が活きている時があるのか? カクカクカクカクを「何のために」用いているか? 「何のため」が無い=純粋に音響・サウンド志向なのか?
    • スムース/ソウルレスー>意味なし?
  • 「月刊HAZAMA」のレビュー(5/6/04のところ) 「とても煌びやかに建ちあがったこの作品は、その本来の建設の目的が全く見出せないあたりが、そもそも何の為に造られているのかわからない豪華政府庁舎のような印象」 まさにまさに。例えば、ケミストリーをft.した「Astrosexy」。4つ打ちビート+太いシンセベース、そしてきらびやかに散りばめられ各々の場所でスパークするディテールを持つトラック。しかし、味気ない・空しい。その曲が鳴っている間だけでも(それで充分なんだ)、信じさせてくれる何か・フィクション・世界観を与えてくれ。ケミストリーの唄がなんともひどい(まあとことん切り刻まれているのだが)ことは問題ではない。……しかし、それなら、なんでこんな文章をわざわざ書き付けているのか、放っておけばいいのではないか(amznは絶賛コメントの嵐である)、という。そこが問題な気がする。そこに(ってm-floに? それだけではない気がする)あったポテンシャルが、見えなくなった気がすること? そのポテンシャルが何だったかも分からなくなったこと? うーむ、何と書けば、何を頼りに書けばいいのか。
    • ○○には××があって■■には××がない、というような言い方はなあ
  • ミュージックマガジンに、安田謙一さんがこのアルバムについて、レビューを書いてはった。アジアっぽさ、ってこととか。ぼくのコメントでは、マッサージという言葉を使ったけど、この言葉を意識したのは、北田さんの広告の誕生を読んだ時で、それは、香具師についての記述の中で出てきたんだよな。また、参照した「月刊HAZAMA」の、m-floのex-ヴォーカリスト=固定ヴォーカリストLISAについての記述。思い出したのは、m-floをクラブ系ユニットとして捉えた時固定ヴォーカリストがいることの弊害って言うある人の記述だった。そのコメントはかなり前のもので、もう既にm-floの脱クラブ化はおこっているのだろうし、元々クラブ志向ではなかったのかもしれない(特にそのポテンシャルに関して)。

邦クワイエットストーム

  • 小柳ゆき "remain―心の鍵"はクワイエットストーミーな(クワイエットストーム風)バラードの名曲だな。あういう曲は「感じ」がでてることが重要。小泉今日子主演のドラマの主題歌だったはず。タイトルは、恋を何年休んでいますか かな。メロドラマにぴったりの曲ですな。同じくメロドラマの主題歌だった、宇多田ヒカル"First Love" と通じる。このような系列に、平井堅のバラードも、MISIAのバラードも、中島美嘉のバラードも、CHEMISTRYのバラードも入ってくる。ブラックからの影響を云々される歌手たちだけど、ブラックミュージックの中でも、ヒップホップとかからは遠い大人向けのクワイエットストーム局で流れるような曲群との近接性があるんだろう。向こうのR&Bのアーティストもそういう曲を何曲かアルバムに入れたりする(マーケティング的な話になるかな)。そういえば、最近Soweluのファーストアルバムを聴いたが、もろにそういう曲があった(「across my heart)。ダイアン・ウォーレンが書きそうなハイファイな打ち込みサウンドのバラード。個人的には、Soweluのアルバムでは、SOULHEADのYOSHIKAが書いた反復的な曲構造のミッドテムポ・メロージャム「Fortune」や「I Wanna Know」が好きだ。同系統の曲をケツメイシの(メンバーじゃなくてprdcrなのね)YANAGIMANが提供していて(「beautiful dreamer」)なかなかクオリティーが高かった(YOSHIKA提供のものより歌謡曲ぽさが強いんだが)。FMなんかでふっとかかっていたら、また街で偶然耳にしたら、なにか少し気持ちがいいような曲たちだ。YANAGIMANは、Crystal Kayの最新シングル「Motherland」も手がけていた。これも同系統のバラード。
    • MISIAについての記述……「セリーヌ・ディオンみたいなビッグ・バラードでも、よく聴くと冨田恵一とかのアレンジが巧みで好感は持ってたりした。」lnk

AI

  • ↓aiの話ししてるねんけど、soulheadも一緒に語った方がいい気がしてきた。下で言っている「それっぽく聞かせてくれる」というのはsoulheadにも思うことなのだ。「ゲロッパ」の主題歌の曲「get up!」を聞いただろうか? あれこそそれっぽく聞こえてくる音楽である。のっけから、「you are my brother you are my sister we are family」である。(下の話しと同じく、それっぽく聞こえるところまでいけているのだから、あともうちょっとツメてくれー、ダンスミュージックとしてのトラック・ミックス・構成をもうちょっとツメてれくーと叫ぶ。・・・リミックス盤でないかな。ところで、映画主題歌への起用は井筒さん本人がライブに聞きにきて・・・というような話しらしい
  • def jam japanのfemale singer/rapper AIのアルバムがリリースされている。いいと思う。この人のシンガー・ラッパーとしての素質の高さ(何より「それっぽく聞かせてくれる」ということは重要なんだ)から行くと、アルバムとしての完成度にはけちをつけられるかもしれない。けどこれがスタンダードなレベルだといいのにと思った(何の世界でスタンダードなのかな? j-popかな。トラックとヴォーカルで組み立てられる音楽としてかな)。
  • 先行シングル1枚目の「最終宣告」は、メリー・J・ブライジ的なマイナー調のスローで、歌の内容はタイトルそのままで相手に「最終宣告」を告げる歌(「・・・これが最後のgoodbye」)。AIの低く、ハスキーな歌声(PUSHIMと通じるところがあるかな)で歌われると迫力・説得力がある。
  • シングル2枚目"thank u"。どこかのサイトのレビューにもあったが、「君の笑顔 thank u」と歌っちゃうニートな世界をダンサブルに展開する。サウンドと質感は、Puff Daddyばり(Notorious B.I.G "Mo Money Mo Problems"を思い起こす)のドタバタした派手な感じ(サンプルのヒット音的使用、スクラッチとか。実際はサンプリングではないかもしれないが、そういう質感・弾き方)。随所で鳴る派手なハープのグリッサンドもpdがよく使っていた手だ。まったく古くさい感じ。だけれど、サウンドの革新性など彼女(たち)は打ち出そうとはしていないのだろう。また、J-POPとして考えればこいうい音はこれまで聞かれなかったわけだし。
    • ここのところが、なかなか自分の中で整理できない。音響として今までの日本の音楽にはなかったような、気持ちがいい音がなっているのは確かだ。そのことについて説明するために、R&BやHip Hopを参照しようとする。影響を受けてきただろうことは分かる。しかし、聞こえてくるのは向こうのモノとは(こうやってまとめるてしまうのも何だが)違う音楽だ(メロディの作り方、構成という部分。また、現在どのような音を発信するのかという部分などか)。その音を聞いていて「こう来たか!」というような驚き、そういう音楽を聞かされた時の高揚はない。
  • ここではこの音楽について肯定的に書きたいんだった。3曲目の「summer time」はめちゃ既聴感のある曲やねんけど(r kelly "ignition(rmx)"をモロ参照している)、ポップな2stepリミックスとか作って欲しいような曲。
  • 「life」というミッドテンポな曲はかなりぐっときた。キターという感じね。ビートがしっかりしている(そこから反復性も生まれている)せつない曲というのにはとても弱い。ただメローなだけの世界にいっちゃわずに力強さも表現されている(乾いたコーンと鳴るスネアの音色の選び方でもそれが分かる)ところも魅力的だ。コーラスで重なってくる、少しダーティーなストリングスに歪んだギター音とメロディーの絡み合いの表現はとてもエモーショナルだ。そういや、「life」もニートな表情のAIだ(「自分を傷つけてどうする 自分を嫌ってどうする」だもの)。この曲に続く「my friend」も同じような世界観だ(ここまでいくとニートというより「幼い」と言えるかも)。
  • double(リミックスにAIをフュチャーしたことあり)より、シンガーとしてまた楽曲の選び方としても、個人的にはAIの方が全然好感が持てる。ポップというようなこととも関係するだろう。向こう音楽の参照の仕方とも言える。
    • amazonでのdeeepさんという方のカスタマーレビューが的確なのでそちらもどうぞ。

キリンジ「雨を見くびるな」

  • あいだをおいて久しぶりに聞く度にブルッと来るところのある曲。ふつうじゃない。展開のことか。あるところで曲が頭へとすっと入り込んできて、歌詞が聞こえる。「(低い温度でぼくらは)やーけーどをしたんだ」とか。ベターっとしているようで、何か違う。
#amazon(B00005HITO)

吉田美奈子のアルバム。

  • まずベスト盤の一枚(78年から81年の楽曲が収録)から攻める。間違いなく自分の好きな感じの音楽だな・・・というような小さなな話じゃないかもしれぬ。P-Funkかプリンスかみたいなアレンジの曲まであるし。・・・あーばんな感じだけれどださく感じへんもの・・・コーラスアレンジの巧みさ・・・ディスコ的なサウンドのもの・・・構成の巧み・・・(今聞くと)ちょっと癖のある歌唱

Akiko Wada

  • 「地球が壊れそうだ それ逃げろ ここから/あいつの広い胸に それ逃げろ 独り占めするなら今/雨降る宇宙でずぶ濡れになって/あいつと二人ならば 歌でも歌って暮らしてみせるさ」 こんな歌詞をどソウルな曲調で歌ってみせ、曲名が「見えない世界」ってのはやばい。ブラスとワウワウギターがアクセント付ける短いイントロがまた泣ける響きを持っている。 おそらく細野さんが弾いているだろうベースはぶっとい感じだし。 在庫切れだけど、この盤がお勧めかな。メローなのもおさえられているし。メローサイド、デビュー曲の「星空の孤独」[1968] が、アレンジ(たとえば、ストリングスとかグロッケン)やメロディーに歌詞、ヴォーカルと、また抜群によいのだな。
  • 小西さんプロデュースの作品についてはこういう風に書いたが、それ以前の98年にリリースされた、これまたの小西さんに加えてゴスペラーズなどがプロデュースをした作品『DYNAMITE-A-GO-GO!!!』がまたいけてない。米倉利徳(利紀)提供のバラード「Searchin'」は、力を抜いて少しためる感じで優しく歌っている部分が新鮮だったが、サウンドがチープで悲しくなる。小西さんは「悲しい歌」をやっていて、ピチカートのオリジナルはとても好きだからこそ、どうも辛口になってしまうが、♪ララララララってスキャットなんてヴォーカリストの一つの見せ場のはずなのに、何も感じさせられなかった。

Carnation

  • Carnation《Mellow My Mind》(1998)。「夏系・ベストアルバム」とのこと。曲全体から感じるイメージはまた違うけれど、ブラックミュージック的なエレメンツをいろいろと感じる(〈ああ、これ聞いたことある〉って感じでやってくる)。キリンジとの違いって何なんだろう。・・・と思ったら、マスダさんが少し書いておられた
  • 「未来の恋人たち (Cherry Bomb Mix)」の冒頭から聞こえる、ギターのリフって有名な曲からの引用だと思うんだけど、思い出せない。きっとその曲も好きな曲だったはずなのに。・・・思い出した、"Let's Do It Again"(カーティス作)だ。
  • 「未来の恋人たち」の歌詞の断片がパッと耳に入ってきてドキッとした。「この季節が終わって 何十年も過ぎて 僕がいなくなっても くれぐれもよろしく 君の未来の恋人たち」。そういう意味での未来の恋人たちなんだ。漠然とした未来の恋人同士の話じゃく、あくまで「君の」恋人になっている人たち、ってことなのか。
  • 「DRIVE(L.A.Moonlight Mix)」。サビのアレンジはすばらしいな。ストリングスとピコピコシンセ。古内東子を思い出させる感じもある(これは説明が必要か)。
  • 「The Future Rock Show」終わりの方に入ってる、大野由美子のヴォーカル&ヴォイスがキャッチーすぎで死ぬ~~!

FPM"Reaching For The Stars"

  • こんな簡単に踊らされていいのかなーという思い。条件反射的に体を動かさせるためには、いろいろ忘れないと、隠されないと、いけないものがあるのかな、と。・・・この曲は「LOVE AND FREE YOURSELF(FEELING) /LIVE AND FREE YOURSELF」というリフレインで終わるだ。収録アルバム《TOO》[2003]では、ここから"Why Not"に流れる。
  • 中学生か高校生の時にもらった日本のヒップホップのミックステープ。ネットで知り合った人にもらったやつだ。マイクリレーものはおもしろい。怖いくらい比べてしまう「こいつはかっこいい、こいつはどうだ?」。LAMPEYE「証言」が入っていた。twigyがめちゃよい。この人のレコードをもっているわけではないけど、いつも耳が惹きつけられる。あの一人《高まっている》ような声質。ちなみに「証言」のフューチャリングラッパーは以下の通り、RINO, YOU THE ROCK, G.K.MARYAN, ZEEBRA, TWIGY, GAMA, DEV LARGE。
  • ともさかりえ『best』。椎名林檎提供の曲を歌えば、椎名ぽく、古内東子提供なら、古内ぽく。楽曲提供者、これだけでも豪華だが、他にもcobaに川村結花の名前もある。「愛しい時」という曲には作詞:YOU、作曲:上田知華、編曲:高野寛という名前が並ぶ。
  • 「恋している」は古内以外の何者でもない楽曲になっている。古内の「宝物」に対応する曲だろけれどそちらは生音バンド主体のサウンドで、「恋してる」はアレンジが亀田誠治、ドラムが打ち込みに生のストリングス、木管楽器も加わって音が分厚くダイナミックになってグルーブがより出て「こみ上げ系ソウル」として完成しているのではないか。
  • あーと、「エスカレーション」も当然収録です。
  • ともさかのアルバム『むらさき。』、こちらも豪華な作家陣のようだ、ココの記述より。聞いてみたい。
  • 『SMAP009』、AOR風サウンドのものが多いというのかな(古内東子のサウンドと同じ指向。生音バンド+シンセ)。いい感じにスィングしてメロディがすばらしい(特にコーラス部)「電話しようかな」がよい。てか、ほかの曲はリラックスできないなあ。

歌、平井堅

  • 平井の歌は歌になっていないように感じる、というようなことを書いたけど、言い換えると、歌のお兄さんの歌みたいということになる、完璧にそうだとまではいわないし、実際そうではないけど、そう感じるような瞬間がある
  • やっぱり他の人も思うのだ。 平井堅は歌バカとか言われているらしいけど、何か安心して聞けない感じがある。歌になっていない気がする。リンク先のレビューで「(やたらめったら歌の上手い人ってより、)その独特の不器用さ」と書かれているのは、きっとそのことだと思うのだ。
  • 「大きな古時計」に言及しているのも、適当だと思って、アルバムでこういう曲が入ると浮きそうなのに、浮かない(アレンジやちょいメロなブレイクの貢献もあるだろうが)。この曲が、わかりやすいと思う、上でいっている歌になっていない気がするというのは。何か単調なんだよな。
  • ちょいメロは、ちょっとばかしメロー。「ちょいミル」って表現が「ルート225」(藤野千夜)に出てきていいんだ、消えちゃったママの作っていた「ちょっとミルキーなシチュー」。
  • 歌にならないというのは、歌詞と関係することかも。例えば、ウタダヒカルの「歌」のすごさについてここで考えてきたこととは、言葉が歌われるということに関してだった。ある言葉が、その文脈を振り切って立ち上がってくる瞬間のこと。
  • こんなことは、平井堅とウタダを続けて聞いてみれば瞬間的につかめることなのだけど。ウタダのおそろしい名曲だと思う「letters」とかを聞いて欲しい。そうすると先に書いたことが揺らされるだろう。つまり、それは言葉でなくてもよくて、ただ声が発せられることという問題なのかもと思わされるから。
  • また書いてみる。今まで何度も書いてきながら、評価したいのか、けなしたいのか自分でもわからない。少し時間をあけて聴いてみる度に、これは何なんだろうと思うのです。
  • 「ring」の、大河ドラマチックな(少し違うか? 大輪舞とか?)雰囲気は他にない気がする。その雰囲気をつくりだしているものとして、ストリングスやピアノのアレンジを挙げることだできるが、それがすべてではない。
  • やっぱり、メロディ、歌詞、歌について書かなければならない。一番最後の、 「あなたの優しさが」「あなたの喜びが」「その指を照らす微笑が」と重ねていくところとか。こういうのは他になくないか? TVを半年ほど見てないからわからないのだが、平井さんはここを手で抑揚つけるように何かを重ねる身振りで歌ってしまうのはないか。
    • 『cut』をみたら、平井堅MTVアンプラグドで唄う!みたいな記事が出ていて、添えられた写真の平井さんはもろに、手が唄ってましたよ。目もつぶっていましたよ
  • 例えば、この曲は、黒人シンガーが歌うバラードとまったく違う印象がある
  • 『music magazine』の表紙が、平井さんで、なにか評論が出てるかなとおもったら、基本的にはインタビューでおしまいだった。だが、クロスレビューのところで取り上げられていた。あまり評価されていない。まあそうだろう。「ring」について、ニューミュージックとか言っている人がいて、そうなのかな(よくわからない、どういうことなのかな)。
  • ニューアルバムからのsmpl、babyfaceのやったシングルだっけ?「Missin' you」もピアノで歌うアルバムタイトルドトラック「LIFE is...」もたるいなあ、歌声が生っぽすぎる気がする。アップ「ex-girlfriend」はイイ! 昔のブラコンって感じがする。アナログ風シンセブラスのリフとか。ホイットニーのニューアルバムのベストトラック(とても懐古的なベストトラック)「love that man」にも通じる。平井の方がメローだけど。
  • ひゃくえん中古シングル。■上原多香子「sweet dreams」、この曲はずいぶん前に(リリースは01年4月)テレビで歌っているのを見て、その流麗なトラックが印象に残っていた。話題になったのかな?アレンジは河野圭だった、ウタダとかやっている。■Tokyo No.1 Soulset「夜明け前」、見つけて懐かしかったので。98年だね。タイトル曲よりカップリングの「key word」そのリミックス「key world」の方がいいかな。保留。■Satoru Shionoya「Brazilian Rhyme」、オルケスタ・デ・ラ・ルスに参加していたこともあるピアニストが露崎春女をフュチャーして、アースのカバー。パーリヤ、パーリヤと歌おう。Satoshi Tomieのremixがあるんでハウス畑で話題になった曲です。
  • クラムボンについて ー> MusicClammbon
  • bonnie pink"tonight, the night"のPV(RA)がサイケだった。曲の理解が方向付けられた。しかし、この曲でねらわれている突き抜けた雰囲気(PVでは、垂直方向の上昇、下降で表現されているような雰囲気)はトーレ・ヨハンソンぽくない気がする。だんすみゅーじっくになっているということ? (ビートはもっとどうにかなりそうだけど。チャカチャカ刻むハットとタンバリンは古すぎ、単調すぎ? 同じく古っぽいシンセのリフの方は成功していると思う)
  • 下のwyolicaを記述の後に、「soft you now」のいくつかの言葉を受けとってみると、「花の名前を曲のタイトルやモチーフにするようになったのはDragon Ashから」というのは気になるし、それはある一つの「文学系ラップ」とも言えるのではないかとも思えるのだ。しかし、ノスタルジックな「文学」ばかりでは、もーアキアキ、かもしれないが。
  • 今、調べてみれば、da, steady & co の KJは79年生まれということで、おない年なのだった(誰とって? 自分なのですが)。だから・・・、何だろう
  • CDをアルバムを丸ごとデータにして、ハードディスクに結構入れている。そこから、二日に一回ぐらいだろうが、wyolicaのアルバムを聞いている。すごい幼稚な音楽だと思う。でも、好きなところがある。幼稚なところが好きなのではないと思う。その好きなところは、wyolicaの名が刻まれているようなものではない。けれど、いろいろ探す意志が今は弱いこと(というか、音楽はそんな風にして聞くものだろうか?)、冒頭の理由でお気軽に聞けてしまうことなどの理由で聞いている。
  • 幼稚だ、というのはどういうことだろうか。歌詞のこと(「君」と「僕」の「文学」)にとどまるだろうか。
    • 歌詞。
    • メロディに関しては、日本語でやっている人が少ないかもしれないスタイルのものがある。ラップと歌の真ん中のような。
  • 幼稚というか、あまりにノスタルジック? それは歌詞にもサウンドにも関係する。もうちょっと分析的に聞き、書いてみたいところではある。お互いに、客演の経験もある、steady & coとかも。というか、自分が音としてつくってしまうのはこういう傾向もある。ナルシシズムと関係しそうな話し。(ナルシシズムとノスタルジーで検索すれば、「あふれるナルシシズム、センチメンタリズム、ノスタルジーそして幼児性。」という一節が出てきた。)
    • ノスタルジーという話と、上の歌い方というのがどこか結びつきそうで。例えば、(少し古いが)ボーンサグスンハーモニーを思い出したり。マライアが彼らをフュチャーしてつくった「breakdown」とか。(しかし、主体の立て方、キャラはまったく違うわけで、マライアとwyolicaのazumiなんて、それでも同型なものがあるのか?)
  • 聞いているというアルバムは「who said “La La…”?」(2000年)。ワイヨリカは大沢伸一のプロデュースで99年にデビューしたデュオ(女性ヴォーカル&男性アコースティックギター)。現在は大沢の手を離れており(細かい事情は知らないが、バードと同じパターン)、三者でつくったアルバムはこのデビューアルバムのみのようだ。
  • 『Soft You Now』で、電気グルーブ「シャングリラ」とFantastic Plastic Machine 『Why Not?』を並べてテクノ名曲だという一節があったけれど(backnumberの0113を参照)、ぼくはこれにsmap"dynamite"も付け足したい。歌に文句がある人もいるかもしれないけど、その気にならなさはsmapの曲の中では随一である(ぼくのしるかぎりで)。特に、サビとその後に付け足されるリフレイン(「だーいなまいとなはにーでじゃむいんざない」のとこ)は素晴らしい(強度があると言ってもいい)(いや、コーラス以外のバースもなかなか、歌わされている感じありありのフェイクだけは少し興ざめだが)。ヴォーカルとトラックが(相対的に)同等に扱われる(そういうとこがテクノ的、ダンスミュージック的でもある)思い切ったミックスの力。なぜこんな思い切ったことができたんだろう。
  • そういえば、中学か高校の時にシンセか録音系の雑誌で、日本人のミキサーが、マイケルの曲における声の処理(トラックと同列に扱われる)について、あんなに歌のヴォリュームが小さくてもOKが出るとは、というようなことを言っているのを見かけた。
  • コモリタさんは、同じような四つうち疾走トラックをfolderの「now and forever」のカップリングにも提供している。これは、子供声がめだってちょっとつらいか。でも、おもしろいのが、バラードの「now and forever」方はその子供声が気にならないのだ。
  • さて、マイケルとfolderのヴォーカル大地について。
  • 音楽を聞きながら自転車に乗るのもいいだろう。見つけ出してきたウォークマンの中にカセットが入っているのを確認して外に出た。走り出して聞いてみるとクラップがブラジリアーンに刻まれるきれいめな4つ打ちビート。聞き覚えアルアルだけど、何だろうな。と思っていると、マライア的な高音のスキャットが聞こえて分かる。歌いだしはとてもローで安定している、「星が巡り行く ここは雲が流れてる」。この曲に高揚はどこにもない。ただ気持ちよくビートとベースは軽くスィングして、その上には安定した優等生的なまさに「軽やかな」ピアノが刻まれる。これリミキサーはMALAWI ROCKSなんだよな。MISIAはこういう保守的なビート、楽曲が似合うんじゃないだろうか。他の曲でいうと、例えば「everything」だとか(でも、evrything
  • 「everything」のアレンジは冨田恵一。キリンジのプロデュースをしている人であり、中島美嘉の「STARS」「WILL」のアレンジもこの人(作曲はchemistryにも楽曲提供している川口大輔、作詞は秋元康)。MISIAの楽曲にもそういうものがあったと思うが、中島の「WILL」では「僕は~」という主語で歌われている。この二曲に関しては、この人がdivaと呼ばれることは納得できるかもしれない。それは歌唱力とかではなく、世界観と関係するものなのではないか。世界観があって、それを支えるものとして確かに歌唱力というものもあるだろうが、それは一つの項に過ぎないだろう。
  • 「あれから僕はいくつの夢を見て来たのだろう 瞳を閉じて見る夢よりも瞳を開きながら WOW WOW」「記憶が星座のように輝きながら繋がる バラバラに見えていたけど今ならわかるよ WOW WOW」(『WILL』)、「We'er Wondering Stars あなたがいる 描いた夢の向こうに 最後に大事なのは 喜びを分け合えるいとしさよ I'm Gonna be a star あらたな未来つないだ軌跡の中で 光りと闇に抱かれて 心の空に 心の空に たしかな夢をみつける」(『STARS』)というような歌詞には何か感じさせるものがある。心の空に、心の空に、と二度歌わせているのは、歌として正しい。
  • 冨田のアレンジは、生音を主体にゆったりとしたグルーブと華やかさが交じり合う、ロマンティックでドラマティックな世界を作っている。ヴォーカルと同じぐらいの音量でミックスされるストリングス、柔らかい管楽器の音、細かく動くベースにドラムス、あとはピアノやエレピにアコースティックギターとかから構成されれた音。

音楽、スケボーキング

  • この人たちはどういう風に受けてるんだ。ドラゴンアッシュのフルヤさんが共演しているから、そういう感じなのか? 基本的に自分たちでプロデュースしているらしいが、二曲だけ外部ディレクションが入っているやつがあって、どちらも派手で聞き易い。目当てだった「tokio lv」 と「you are god」(ヴォコーダ空間なコーラス)という曲。あとポロポロ鳴るピアノサンプルのループにジャズギターにフレットレスベース、スクラッチ(+女性コーラスのフックもあり)が「メローな」「大人な感じの」ラストトラック「own to the next」。二人いるMCにはあまり惹かれなかった。
  • で「tokio lv」は、小田のサンプル(ストリングスとカッティングギター)が、いきそでいかないいきそでためてコーラスで、キュキューン(あのギターのフレーズ)と解放。
  • 小田のサンプルって「Key of Life」がずっと前にサンプリングしていた。このユニットはいろいろ日本の曲を使っていた。ラジオでよくオンエアされていた気が(95,6年頃)。ここでご本人が語っていますね。

crystal kay

  • crystal kayのニューシングル(アルバム「almost seventeen」と同時に発売された)「girl u love」は、t. kuraのproduceらしいが、(現在性を感じることはできないもの)、やっぱり相性は抜群(彼女の声質やヴォーカルスタイルとトラックの相性)で心地よいトラック。シングルには、前のシングル「hard to say」のリミックスが二つ入っている。こちらも、日本的なと言っていい、小手先グルーブというか、こじんまりとしたトラックだが、嫌いじゃない。smpl
  • 話を、utada "traveling"に飛ばすと、(crytal kayとは対極な感じに)「smooth」でなくすごい。何に急き立てられているのだろう。「みんな 踊りだす時間が 待ちきれず 今夜 隠れてた願いが うずきます みんな 盛り上がる時間が どうしてだろうか 少しだけ不安が 残ります」こんな歌詞はどっからやってきたのか。
  • 「どうしこんなにさびしくなるのいつもそばにいるのに」というのは、「girl u love」の歌いだし(アカペラでの)だけれど、ベース、カッティングギター音に重なる、ブラスヒットのシンコペーションのマッサージ。コーラスに入る時の、シャワッーという感じ。高音部の声、バッキンヴォーカル。ペコンとなるギターぽいシンセサイズ音の出たり入ったり。
  • crystal kay "hard to say" m-flo、タカハシタクのproduce。トラックは、ブリブリ、ビヨビヨ、硬質な音(ベースとギター)。何を参照したらいいのかわからない。が、brandyの1st(94年)をよりディジタルな質感でBPM上げて、リサイクルした感じか(???)。ラップの一節の後の、ブレイクが美しい。エレピと鳥の声とコーラス、ヨツウチ的ビートのフェードイン。ここから、もとのサビに戻る構成になるのもわかるけれど、全然違うところにいってしまっても気持ちよかったかも。
  • 「think of u」のリミックスも入っている。が、できればオリジナルを聞いて欲しい。オリジナルについて、細かい刻みのリズムは、このような曲を今現象させる構造として選択されている。このリズムによって、メロディー等が変化させられていることはない。が、「このような曲」の魅力も追求されていい。しかしどうだろう、細かいリズムも感覚は捕らえているわけで、より豊になっているのかもしれない。何が豊になっているのか。「think of u」のproduceはt.kuraで、同じく彼のプロダクションによる「Ex-Boyfriend」。m-floのverbalをfeat.したこの曲は、t.kuraが90年代半ばぐらいだろうか、手がけていたエリーシャ・ラバーンの楽曲の再生産という感じだが、日本語のリリックが付いているだけ違う。またcrystal kayの声もまた魅力。アノニマスな多重音声。

古内東子『hourglass』

  • 古内のアルバムは何枚か聞いてきたけど、このアルバム一曲目からかなりいい感じじゃないだろうか? 「あなたが最近ずっと素敵になったって/みんな言ってるけれど私がいちばん知ってる」なんてちょっと迫力がある。それをあくまでも「軽やかに」に言い放つ。二曲目は、大ヒットシングル「誰より好きなのに」。
  • 古内は、松尾潔の人選でケミストリーのファーストの一曲に歌詞を提供しているようだ。先日紹介したプロダクションノートはセカンドのものだったがファーストのそれにそのことが記されている。これを読んでいると、これまた書いたばかりの、ケミストリーと平井堅を比べることについて松尾本人のことばがある。

[うた]平井堅

  • 「ring」の世界はとても変わっている。男ディーバ的世界というか。この歌の最後は、「あなたの優しさが あなたの喜びが その指を照らす微笑みが いつも2人を包むから」と閉じられているが、その「あなた」にはパーソナルな匂いはせず、曲全体を何か「大文字的」な空気がふるえている。ただ陳腐と片づけられるのかもしれないが、それでも惹きつけられるところがある。一語一語は浮いているのだが、フレーズを重ねていく様、その波は何かを感じさせる。この曲は、前のアルバム「gaining thourh losing」のタイトルトラックの延長線上にある曲(両曲はとてもよく似ている曲、途中でゴスペル調ブレイクがあるところまで同じ)だ。このタイトルにしろ、「痛みと歓び分かち合い 絆深めた人の 飾ることない言葉の粒 今も胸に抱いて」なんて歌詞を、たとえばキリスト教のような信念なしに歌えるものだろうか。
  • んー、歌詞は関係ないのか。あういう歌詞をあういう歌い方で歌うから醸し出されるものか。
  • 「ring」にカップリングされていた、ミッドファンク「somebody's girl」は、AIというdef japan初の女性アーティストというラッパーが日本人に聞こえないナスティでずぶとく煽る煽る「それっぽい」フロウ(完全英語)を聞かせるのに対し、平井の歌は単調でその詩世界(単純なセックスソング)もつまらない。
  • そう考えていくと、この人に似合うのは(声質や歌い方に似合うのは?)、「miracles」のようなトニィ・ブラクストンが歌いそうなマイナー調の曲なのか、と思う。
  • あとはコミカルなやつ? 「strawberry sex」とかもその系統? 「ストロォゥベェリー セェェクス イッツァー ワァンダフォワールド なーんだか 胸がドォキドォキ ベイベェー 君と朝までずーっと ずーっと 手をつないでぇえー」