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[ 読んでいるもの・読んだもの(+関連して読みたいもの) ]




※過去の記録はこちら|音楽関連の文献はこちら



最近読んだもの・気になったもの

mediamarker/surround より(本の情報はこちらで書いてます)


  • 『群像』2009年5月号 特集=海外文学最前線 [アメリカ合衆国]ポップ・文学・ラブリー(都甲幸治)の中でジュライへ言及.ジュライの邦訳本刊行の予定も記されている.
  • マジェスティ/ミランダ・ジュライ  訳・解説/岸本佐知子(新潮 2008年9月号
  • 生き延びるためのアメリカ文学(十一)/都甲幸治 切なさのゆくえ――ミランダ・ジュライ『いちばんここの人っぽいのはあなた』(新潮 2009年01月号)
  • 生き延びるためのアメリカ文学(八)/都甲幸治 B級小説の快楽――ジョナサン・レセム『あなたはまだ私を愛していない』(新潮 2008年10月号)

  • 『メタファー思考-意味と認識のしくみ-』『〈英文法〉を考える-〈文法〉と〈コミュニケーション〉の間-』/『デイヴィドソン』/『輸入学問の功罪』/『考えることの科学―推論の認知心理学への招待』/『数学する遺伝子』(, 数学能力と言語能力の関わり)/『デザインとヴィジュアル・コミュニケーション』/『感情』/『「私」はいつ生まれるか』

最相葉月『星新一 一〇〇一話をつくった人』

福岡伸一『生物と無生物のあいだ』

原武史『滝山コミューン一九七四』

野矢茂樹『入門! 論理学』

  • (野矢茂樹著, 中公新書, 2006) →amazon
  • 【目次】[はじめに ⅰ][第1章 あなたは「論理的」ですか? 3][第2章 「否定」というのは,実は とてもむずかしい 35][第3章 「かつ」と「または」 73][第4章 「ならば」の構造 107][第5章 命題論理のやり方 139][第6章 「すべて」と「存在する」の推論 193][おわりに 244][索引 250]

山内志朗『ぎりぎり合格への論文マニュアル』

バーリング『言葉を使うサル―言語の起源と進化』

  • (ロビンズ・バーリング著,松浦俊輔訳) →amazon
  • (原著=Robbins Burling The Talking Ape: How Language Evolved→amazon
  • コミュニケーションのはじまり,において産出側ではなく受け手側に注目する
  • 受け手にとっての利益
    • まず聞き手.のちに,話し手が聞き手の能力を利用することもできるように
  • 模倣,アイコン性,インデックス性,共同注意
  • 慣習化,
  • なによりまず単語が・・・.音韻や統語法はあとから
  • アナログ/デジタル,離散的
  • 言語というものが展開・発達していくなかでの,すでに身につけられた区別を利用するという圧力が出てくる
  • 著者は言語学者ってことで,さすがに,わたしは言語というものをこういう風にとらえている,ってのがじわーっと感じられる部分など,おもしろい.なんで,こんな複雑な言語を使っているのだろうか? とか.人間の思考とか認識は言語で規定されている,みたいなことを言いすぎるのは,どうかしらん,とか.
  • 最後の章はそういう意味で,最後にいろいろとじわーっ,とという感じ.人間にとって「理論」とは?ってはなしも,いいね.

ブランバーグ『本能はどこまで本能か―ヒトと動物の行動の起源』

  • (マーク・S・ブランバーグ著, 塩原通緒訳) →amazon
  • Basic Instinct
  • 【目次】[はじめに 9][第一章 羊番の心理 17][第二章 設計者という考え 41][第三章 気味の悪い話 61][][]
  • 複雑な動物の(「合理的」にみえる)行動をどのように説明するか?
  • 「本能」という概念
  • 人間と動物の区別/「人間は理性によって導かれ,動物は本能によって導かれるという例の二分法」によって人間と動物のあいだには人工的で恣意的な壁がつくられてきた
  • 「設計者[デザイナー]」という考え方/「本能的な行動の設計者としての遺伝子」というような考えもその一つ
    • 目的論
  • 起源にまつわる問題
    • 「どのような歴史過程であれ,その発達の起源を直接見ていないかぎり,私たちは自然と複雑なものを単純に見せる説明に引かれる.だが,そのような説明は単なる幻想だ.」(p.50)/「デザイン論は,ただの誤った主張というだけにとどまらない.そこには人間の心理の働き方が反映されている.私たちは複雑なものを前にして,その複雑さの起源にさかのぼる道が見つからないと,デザイン論の圧倒的な魅力に取りこまれてしまうのだ.」(p.58)そして「私たちの頭は寝かしつけられてしまう.」
  • ダーウィンの自然選択説:デザイン論の勢いを鎮めた.生命と時間に対する根本的に新しい考え方であった/このダーウィンの見方は他の時間尺度にも当てはまるか?
  • 目的をもっていうるかのようにみえる動物の行動
    • 説明の仕方:模倣? 本能? 学習? 自然選択? 試行錯誤?
  • 人間の製造物の進化について考えてみる/人間の発明に対する進化論的な見方
  • 「遺伝子が精神と行動にどういう影響を与えるかについての幻想的な概念」「遺伝子のおそるべき力」
  • 「偶然の一致」「逸話」「気味の悪い類似点」
  • 「日常の確率現象を正しく見ることに関して,大半の人間がどれだけお粗末であるか」/「この世の確率現象のあいだに存在する複雑な関係性を直感的に判断するのが,私たちはとても下手だ」「したがって,評価を下すときは充分に注意をするべきだし,不確実なこと,ありえないこと,あいまいなことに出会ったときは,つい幻想的な結論に飛びつきたくなったり,奇跡的な説明をひねくり出したくなっても,その誘惑に耐えなくてはならない.」/「科学の推論の核心にあるのは,確率の客観的な評価」なのに・・・
  • さてさて,それではいったい「遺伝は実際にどんなことをするのかを明確にしなくては」
  • 「遺伝子が全体の機構の一部にすぎないという見方をもつこと」「遺伝子は脳ではなく,筋肉でもない.特権的で独占的な情報の貯蔵庫でもない.」
    • 「一般に理解されているように,DNAには情報が暗号のかたちで含まれていて,細胞はその情報をもとにアミノ酸と複雑なタンパク質を合成する.だが,遺伝子の働きがここで終わるのに対し,タンパク質の機能が働くのはここからである.一次元の直接的な遺伝暗号の世界では,タンパク質は機能を果たさないのだ.タンパク質は一転して,複雑な三次元構造をとらなければならない.そして.その最終形態は決してDNAによってプログラムされているわけではない.言い換えれば,DNAによってもたらされる情報の価値には限りがあることが,遺伝子発現の初期段階で明らかに現れるのである.」(pp.74-75)
    • 「それを促す環境があって初めて成り立つ後成的[エビジェネティック]な過程」/DNAだけでなく環境にも,生物を成り立たせるのに不可欠な情報が貯蔵されている.

佐藤『レトリック感覚』

  • (佐藤信夫著, 1992, 講談社学術文庫)(底本は1986年刊の講談社文庫版/原著:1978) →amazon
  • 【目次】[序章1 レトリックが受けもっていた二重の役わり 9][序章2 レトリック,修辞,ことばのあや 27][第1章 直喩 62][第2章 暗喩 100][第3章 換喩 140][第4章 提喩 172][第5章 誇張法 218][第6章 列叙法 252][第7章 緩叙法 285][本書のなかのおもなレトリック用語 317][おもな引用文献 320][あとがき 324][佐藤信夫 または ことばへの信頼/佐々木健一 326]
  • 直喩と隠喩,レトリック研究の中で(隠喩との比較において)軽視されてきた直喩
  • 類似性を創作することのできる直喩(対して隠喩は・・・)
  • 隠喩にはステレオタイプ化しやすいところもある
  • レトリックの普遍的可能性
  • 換喩と提喩,二つの全体と部分=「個体の現実的な組成としての全体と部分」と「概念の外延的意味としての全体と部分」/現実の事物の隣接性にかかわる換喩,概念=意味にかかわる提喩,
  • さて,以上のような換喩と提喩の区別がるとして,換喩tは?/換喩表現が使われる理由とは?・・・
  • 概念のズームレンズ

ジョージ・レイコフ/マーク・ジョンソン 『レトリックと人生』

  • 原題はMetaphors We Live Byであり邦題はずいぶんな意訳となっている.やっぱ原著も見てみたい
  • メタファーはただの言葉の上の問題.ただの詩的な表現,ただ現実を描写するだけのものではない
  • 人間は自分たちの経験をどのように理解しているのか? どのように概念を理解し,概念にもとづいて活動しているのか?
  • そこでメタファーが果たしている重要な役割(メタファーは経験を理解する際に,根本的なメカニズムの一つとなっている)
  • 概念,体系,構造を与える,一貫性,経験,~からあらわれ出てくる,~と通して~を理解する,基盤となるもの,方向付け,複数の相(ディメンション),焦点が当てられる部分
  • メタファーはわれわれの概念体系に構造を与えている,その概念体系はわれわれが日常用いる言葉の中に反映されている
  • 「メタファーによってわれわれはある領域の経験を他の領域の経験に基づいて理解することができる」
  • メタファーによって経験に一貫性が与えられる,その経験に関するさまざまな意味が理解できるようになる,
  • (○○に関するメタファーは○○という経験の)あるもの(特徴)を際だたせ,他のもの(特徴)を隠す
  • メタファーは行動の指針ともなる
  • メタファーの経験上の基盤
  • 存在のメタファー,方向づけのメタファー,構造のメタファー,導管メタファー
  • はっきりと輪郭をもたない経験の理解,具体性のあるもの・(自然にあらわれ出てくる相に基づいて)明確な輪郭をもつもの
  • ある活動を○○として経験する,そのためには○○にメタファーによって(部分的に)構造が与えられている必要がある
  • 経験のゲシュタルトとしての概念化
  • エレノア・ロッシュ Eleanor Roschのカテゴリーに関する議論,「われわれはさまざまな原型[プロトタイプ]に基づいて物事をカテゴリーに分類している.」,集合論に基づいたカテゴリーの概念ではない/p.181~
  • 言語の形態と意味・内容の関係,言語形態には空間的属性(たとえば,長さ)や空間的関係(たとえば,近接性)がある,われわれはこれらの要素を利用して空間的観点に基づいてメタファーによって文を概念化する
  • 日常的な言語表現に深く関係しているメタファー(常套的メタファー)以外の,創造的メタファー
  • メタファーはわれわれに新しい視点を与えてくれる(新しい現実の特徴づけ・構造づけ),メタファーは現実を創造する力も持つ
  • 相互作用的属性
  • 文化による異なり
  • 客観主義者,主観主義者,経験主義者
  • 意味,意味論(セマンティクス)
  • 類似性
  • 真実,真実論,(人間の,人間による)理解ということに基づいて真実を説明する
  • 「真実は,概念体系と,その概念体系に構造を与えているメタファーとの相対的関係によって常に決まる.真実は,したがって,絶対的なものでも客観的なものでもなく,理解に基づいているのである.」
  • 直接的物理的経験の中からあらわれ出てくるカテゴリー
  • 首尾一貫性,人生や経験における首尾一貫性(そのようなものを人間は求めるものである?)
    • 一方の一致性,「一貫性はあるが一致性のないメタファーから成る概念に基づいて人間がいかに推論したり活動したりしているのか」

ラマチャンドラン『脳のなかの幽霊、ふたたび―見えてきた心のしくみ』

  • (角川書店, 2005, 装丁:角川書店装丁室) →amazon
  • 関連→http://d.hatena.ne.jp/surround/20060919/p1
  • クロスモーダル
  • 外適応 p.114
  • p.117~
  • 原注 p.22~
  • 「本書のここまでのメインテーマは、神経疾患をもつ患者の研究は、臨床神経学の範囲をはるかに超えて、人文学や哲学にとっても、ひょっとすると美学が芸術にとっても意味があるという見解でした。」 p.125
  • 脳の機能、解剖学的構造、神経構造の観点からの説明づけの試み
  • 進化的観点からの~/進化的根拠/進化的な意味
  • PETスキャンやfMRIを使った脳機能画像研究→「ある特定の行為や精神活動をしているときに、脳のどの部位が活動しているか、あるいは活動していないかがわか」る。

山内昌之『歴史の作法―人間・社会・国家』

  • (文藝春秋, 2003, 装丁:坂田政則) →amazon
  • 三中『系統樹思考の世界』でちょこっと引かれていた。いっぱい読んでみたい本が出てくる。

三中信宏『系統樹思考の世界』

  • (鹿島出版社, 2006, 装丁:中島英樹) →amazon
  • 上のamazonのレビューにある「きらめいているがこなれていない:何だろうこの食感は」ってわかるなあ・・・この一冊からどんどん広げて読んで・知っていきたいな。読みながら、あー以前印象に残っていたあの本の著者はこの本をどう読むだろうか、とか思うことが何回かあった。
  • 『現代によみがえるダーウィン』収録の三中さん「ダーウィンとナチュラル・ヒストリー」も内容がかぶってるので読むといいかも(この本には長谷川眞理子さんらとのめちゃ楽しく読める鼎談も収録)。もちろん、『生物系統学』もいつか読めればいいんだけど。

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